白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


開けた玄関に、見慣れない靴が二足。―――――




「――何であんたらがいるんだよ」
 


俺は靴も脱がないままリビングに上がり込んだ。



そこにいたのは、何か月……何年振りかで顔を見た、両親、という存在。
 



一人がダイニングテーブルの椅子に、もう一人はソファにいた。



何かを話していた雰囲気もない――俺がそんなものを感じる余裕もまたない。なんで。
 




なんでこの二人が揃ってここにいるんだ。




「ああ、帰ったの。ちょうどいいわ。上の子がいなくなっちゃったから、あなたに伝えておくわ」
 



何を。




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