白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】

+++

「理波ちゃんが滝篠くんの家にいるのかっ?」



「いる。わざわざ俺に《絶対に来るな》って書置きは、正直俺が行きたくない場所ってことだよ。

そんなの、壱星んとこしかねえ。しかも仮にも壱星は――」



「理波ちゃんの彼氏だもんな。不思議はない。――だからそこで凹むなヘタレ!」
 



刹那の言葉に一瞬だけ傷ついて立ち止まり、復活した。




「で? 原因は何なんだよ?」



「……うちの両親のことだ」
 



その言葉に刹那の空気が張りつめた。



< 206 / 385 >

この作品をシェア

pagetop