白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
滝篠は一位なんだから、スゴイと思う。
俺の二位っていうのはまぐれで、いつも順位は変動する。
けれど滝篠の一位は揺らがない。
絶対に滝篠は揺らがない。
「…………天然か」
ふと滝篠が斜め下を見た。ん?
「何か言った?」
「いや。……それだけか?」
「一応それだけ」
少しでも話せたから十分、かな?
滝篠自身は、たぶん望んで一人でいるのだと思う。
お節介はここまでだ。
俺はただ、滝篠が孤高の人でも、孤立させたくないだけだ。
余計なお世話でしかないけれどな。