白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
常識の欠片もない、とかカッコつけたくて、反社会的な態度をカッコいいと思ったりする、俺たちは思春期の子供で。
だから、世間に抗っているふりをする、常識的な子供だった。
親を――待つのが当たり前というそれに、俺も理波ちゃんも……その存在を、俺は嫌悪しながら、待つことが。
待っていたのかもしれない。
決定的な今日を、迎えるまでは。
「……生きたいなー……」
夜天に声が吸い込まれていく。
地獄耳の刹那にも、聞こえていないほど夜は深いようだ。
……生きたいな。俺を。