白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「そうですよいっちゃん。お祭りなんて楽しめるうちが花ですよ」



「既にお祭りを楽しめる心なんてないんですがね」
 


やさぐれているなー。



トゲトゲしているよ。



トキさんと顔を見合わせて、こっそり吹いた。







「――壱星」
 


気にしていないのに、声のトーンが落ちた。



「……ああ」
 



わかりきっている答えは、壱星は口にしない。
 



明日は、期限。




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