白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
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そこは変わらなく在った。
欠片も変わらなく、三日前と同様に。
最後にこの家を見たのは刹那とだった。
今、刹那はいないけれど。
誰もいない家は空っぽだった。
三日前の夜、荷物をまとめた俺はリビングの電気をつけて壱星の家に向かった。
その電気も、ついたままだった。
「………」
何で、こんなん。
「はー」
何で、こんな家。
……俺は何を、夢見ていなかった?
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