白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
壱星に惑わされたか? まさか、もしかして――待っていてくれているんじゃないかって。
迎えに来ないまでも、心配して、なんて――。
あの電気が。
何を夢見ていなかった?
夢見ていないフリでもしていたか?
誰もいないこの家に。
「………」
壱星には、報告しよう。
これが現実だって。
それから、理波ちゃんは本格的に壱星に預けて、俺はバイト探して住むとこ探して――
権利書どうの言っていたけど、俺はたとえここが家賃かからないと言われたって住む気はない。
考えをまとめるために、家から視線を逸らし――
「……理波ちゃん……」