白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
スリッパを鳴らしながら出てきたのは、俺の唯一の家族、姉の理波ちゃん。
上月学園の大学部二年生だ。
俺は平均より身長がある。理波ちゃんは平均より身長が低い。
たまーに、あと五センチ、俺の背丈が理波ちゃんの背丈になったらよかったのに、と笑い話にするけど、逆転していなくてよかったねと理波ちゃんは笑う。
俺もそう思う。
それはちょっと悔しい高校生男子だ。
俺も一応、ね。
「今日は早いね?」
「レポートやってた。もう終わったからご飯作るね」