白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「あああああ………っ」
 



長く留めたのは可能性があったからなのだろうか。




すがる想い出も指先もない俺たちは、ずっとお互いの人生まで一緒に歩いていた。




微かに期待していた世間的な親の像。




その可能性も絶たれた俺たちは。
 




 一人になって、生きてゆける。
 



たった一人の、未渡理波と、未渡雅風として。




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