白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「ココア、ですか」
滝篠教授が持ってきたのは、湯気をたてるココアだった。
「壱星が茶よりこれをすきでな。私もこれだけ作り方を覚えた。……あれには珍しく子供っぽいところもあるだろう」
うわーっ、すごいおじいさんだなー。
俺には祖父の記憶もないから、羨望の眼差しになる。
手入れのされた庭木の見える縁側で、滝篠教授と並んで座っていた。
「壱星は、どうかな? あれは人間関係が苦手だ。ちゃんとやっているかな?」