白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「君や理波くんは、家庭における自分を卑屈や卑下して話さない。
私には不思議だったんだ。両親であるべき人を、恨んでいるようには見えない。怒っているようにも見えない。
それらを隠しているようにも見えない。哀しんでもいない。ハンデにも思っていない。
社会的負荷だとも感じていない。
本当に――何も思っていない。……どうしてなんだろうか」
「……俺たちは、変ですかね」
床に、カップを置く。
変だって、わかっているけど訊いてみた。
「変だよ。普通ではない」