白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
高等部に入学が決まった頃、俺はバイトすると言いだした。
でも、一応上月学園の高等部はバイト禁止の原則がある。
それなりの理由があれば認められ、俺はその《それなりの理由》がある。
けど、理波ちゃんは肯かなかった。
高校生なんだから勉強してもっと遊びなさい、とか言われた。
そのときにぎゃーぎゃー言い合って、理波ちゃんが半分折れる形で決着がついた。
理波ちゃんの条件は、『半年間成績を十位以下に落とさないこと』だった。
そして俺は今度の中間考査を以て、その条件は成し遂げた。
……若干危ない時もあったけどね。
だからこその今回二位なんだけどね。
「……ふーならやると思ってたけど、上月(こうづき)でも本当にやっちゃうのか……」