白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「雅風は刹那より小さかったのになあ」



「そうでしたっけ? よく憶えてますね」



「いや、忘れ始めたから医者は辞めたんだよ。細かい病状まで、きちんと憶えておかないとわしは駄目だからな」



「ゆっても先生、儚みたいにまだ診てる人多いんだよ」



「「へー」」
 


理波ちゃんと同時に答えた。



すると医師は、「変わらん姉弟だなあ」と嬉しそうに顔を綻ばせた。




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