白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
終わり。
終わらせよう、さっさと。
こんな何の役にも益にもならない、すれ違った通行人が今思っている人を、この世界から探すようなとんだアホな真似。
ただバカなだけだ。
「――終わらせられるかよ」
「あ?」
以外――壱星から固い声音が飛び出た。
俺はいろいろなバランスを失って、缶を口から放してしまった。
落ちるところをキャッチする。
「終わらせられるかって言ったんだ。お前のためじゃない。理波のためだ。
お前に親を親と認識出来ないのは俺にはどうも出来ないけど、理波に親を捨てさせたくない」