白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「たくない、って……またお前の勝手な願望じゃねえか」
「そうだよ。そもそも――俺は親の顔すら知らないから、存在だけでも知っているお前とはズレがあるんだよ。
俺は想像するしかないんだ。どんな姿なのかさえ。理想を、勝手に抱くしか出来ないんだよ」
俺とは違う、捨てられ方。
子よりも大事なものがあった壱星の母親。
壱星が理想を持つのは、それこそごく当然だろう。
嫌悪感を抱くのと同時に。