白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「………逢いに、行こうなんて思えないよ、俺は」



「俺だって思えない」
 


そこは否定するのかい。



「じゃあ何だってこんな話するんだ。せっかく終わりかけてたのに」



「……淋しいからだよ」



「さび……?」
 



さびしい? 何が。




「いるのに、ちゃんと生きているのに……親子でないお前たちが、俺にはすごく淋しいんだ……」
 



壱星の声が揺れるのを、初めて聞いた。




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