白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「雅風、いいの? 滝篠にホストとかやらせて」
愛璃がやってきた。
「ん?」
「滝篠が理波ちゃんと付き合ってるのはみんなわかってるけど、理波ちゃんもいい気はしないでしょ?」
「さあ?」
俺は両手を広げて見せた。
「さあ、ってあんた……」
「そんなの当事者間の問題じゃん? 俺がぐだぐだ言うことじゃないと思う」
「……いつの間にそんな物わかりのいい弟になったの」
「いつの間にだろーなー」
「……次行くか」
はぐらかした俺に、愛璃はツッコんでは来なかった。
一抹の寂しさを覚える……。
「――見つけたわ雅風、刹那!」