白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
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「名前は琴吹(ことぶき)刹那。よろしくお願いします」
上月(こうづき)学園高等部一年一組に、いきなりの転校生登場だった。
テストも終わり、十一月に行われる学校祭の準備にみんなが慌ただしくなった、十月の始めの今日この頃のことだ。
転校生は、琴吹刹那という女の子。
ちっさな顔に、シャープな目元や口元をしている。
一見すると鋭い性格なのかなあとも思ったけど、いや、あの子はくすくす笑うんだろうなとわかった。
自嘲気味に、少し小馬鹿にしたように片目を細めて口元に軽く握った拳をあてて。
……え? ……何でそんなことわかるんだ? 俺。