年上ヴァンパイア
「藤咲くん……?」
「あ…ごめん。」
学校から少し出たところで話しかけると、歩くスピードを緩めてくれる。
「いいけど。
あ、そういえば、藤咲くん。」
「ん?」
藤咲くんは返事をして振り向いた。
「ありがとう。
まさか、私が休んでる時、一緒に休んでくれてたんでしょ?」
「ああ。梨穏には、迷惑かけたしな。
てか、梨穏が目覚めてないと思ったら心配で学校になんて行けねぇだろ。」
ドキッ
その言葉、すごく、嬉しかった。
でも、やっぱり、好きだからとかじゃないんだもんね。
ただ、迷惑をかけたから、っていう理由なんだよね…。