春夏秋冬〜キミと私の『one year』〜




「ねぇ、今度の土曜日空いてる?」




気がつけば放課後。




帰る準備をする私に、そう言ったのは葵……ではなく星野くん。




「はい?」




思わず聞き返す。




何の目的で私の予定を聞くのか全く理解できない。




「土曜日空いてる?」




顔色ひとつ変えず、再び同じ言葉を発する。




「空いてる……けど」




「じゃあ映画行かない?」



「え!?」




「土曜日までの割引券があるんだ」と言って笑う星野くん。




< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop