あの空の彼方
子供達へ
今日千歳にいる真弓おばちゃんの家に用事があるので帰りは少し遅くなるから……冷蔵庫にオカズ作って入れてあるから電子レンジでチンして食べていてね。
帰るとき電話するからね。
母からだった
母がいない部屋の中はシーンとしていてテレビの音だけが響いていた。
それからすぐ1つ上の兄が帰ってきて……母の置き手紙を見ることもなくカバンを置いて遊びに出かけてしまった。
部屋の中は……くるみ1人……少しだけ寂しかった。
いつもなら学校から帰ってくるとカバン投げ捨て……すぐに友達の家に遊びにいってたのに……今日は遊ぶ気持ちになれなかった。
机に座り宿題を見てもやる気が出ない。
本を見ても読む気にもなれない。
居間に横になりテレビ見てもつまらない。
時間がもの凄く長く感じた。
そのうち一番上の兄が帰ってきて母の置き手紙を見て無言で部屋に行ってしまった。
すぐに1つ上の兄も遊びから帰ってきた。
居間のテーブルの上に置いてある置き手紙を見て
ふぅ~~~ん
母さん帰ってくるの遅いんだ。
腹へったから……早く飯食べようぜ~~~
1つ上の兄は本当に能天気
兄弟で留守番するのは初めてはなかったので……兄二人は母や父がいなくても平気だった。
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表紙・目次

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