ダレにも負けないぐらい愛してやる
色が増していく
「今まで何処で寝泊まりしてたんだ?」
帰りたくないけど、家に帰って寝ていた。ある時は、煌びやかに光るネオンの傍で膝を抱え壁にもたれると瞳を閉じて。
つい1か月前は、人通りが多く声が聞こえる街灯の傍で空を見つめながら座っていた。
数日前、そこで男の人に声をかけられ響さんに出会った。そう言えば初めて会った時、響さん私の事知ってるみたいに言ってたけど、いつから見てたんだろう?
『寂しくない所だよ』
スマホを手に持ち、隣に座る響さんの前に出した。
「どうやって生計とかたててたんだ?」
首を横に傾けた。
「・・・どうやって飯食ってたかって事だ」
響さんは、片手で頭をクシャクシャと掴み、空いている方の手で私の頬に触れる。