ダレにも負けないぐらい愛してやる


拭かれた場所に手を当て確かめた。涙が零れてる、どうして?

首を横に振り、化粧を直そうと席を立つ。

「どこに行くんだ?」

レストランの中を確かめ化粧室を見つけ指を指しニカっと笑うと響さんが頷いた。


化粧室に入って目を確かめる。ちょっとだけ充血。なんで涙なんて。ため息を吐きながら化粧を直していると昔の事を思い出してきた。

子どもの頃大好きだったのは、ハンバーグ。母さんが機嫌が良い時、作ってくれた。

でも覚えているのは数えるほど、後は、いつも1人で作って暗い中食べてた。笑って美味しいモノを食べた事なんて無かった。

響さん。

思い出すと後から後から、涙が止まらない。響さんが待ってるのに。

鏡を見つめ化粧を直すのに直らない。








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