続・銀髪姫と不良幹部
私は後ろでその様子をじっと見つめる。


「ん?月影は行かねぇの?」


「史音」


相手は私の名前を知っている。


だけど、誰がどこで聞いているかわからないから史音は〝月影〟と言うんだろう。


史音なりの気遣い…ってところかな?


「ん、私は後から参戦。最初から出たら面白くないし」


そんな嘘。


だけどこうでも言わないと史音は中に入らない。


「そっか。早くこいよ」


「うん。…怪我しないようにね」


「おうよ!依亜も気をつけろよ!」


こくりと頷くと、史音は倉庫の中へと消えて行った。


みんなもう入ったね。


「ふぅ…」


ため息をついていると、後ろから数人の気配。


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