続・銀髪姫と不良幹部
というか、瑠依はどうしたの?


キョロキョロと周りを見ても、瑠依の姿はどこにもない。


ここにいないならそれでいい。


私は今日、あの人を潰すのだから。


「…そんなに叫ばなくても聞こえてるよ」


一言そう言うと、誰かが息を呑むのがわかった。


今の私の姿は、月と狼の絵が描かれたパーカーに半ズボンといつものスタイル。


だけどいつもとは1つ違う。


それは、銀色の髪。


普段隠しているこの髪は、今日は隠さずにきた。


だって、この髪の色を気味悪がった親に捨てられたんだし。


それならこの銀色の髪の姿で終わらせたかった。


「お前が榎本依亜か!?」


「そうよ、人の名前を叫ばないでもらえるかな?」


しかもフルネームで。


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