続・銀髪姫と不良幹部
「うぅ…っ」


「辛かったね」


それでも声を押し殺して泣く瑠依に私まで辛くなる。


あの時、私が捨てられなかったら状況は変わっていたのだろうか。


答えはNO。


結局は捨てられる運命だったんだ。


そこからもう始まっていたんだから…。


「お嬢、よろしいですか」


「…どうした」


瑠依を抱きしめ、落ち着くように背中をリズムよく叩く。


なるべく瑠依には話を聞かれないように。


「外で怪しい二人組を捕まえました」


「怪しい二人組?」


「はい。一応縄で縛っています」


怪しい二人組…。


しかもこのタイミング…。


「組員に任せています。もうすぐくるでしょう」


言葉と同時に組員がやってくる。


その手には縄を持っている。


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