続・銀髪姫と不良幹部
「…あの後、俺たちはお前が夕凪に拾われたのを知った」


「私達はあなたが生まれてから不幸になる一方。なのにあなたは裕福に暮らしてっ」


開いた口から出てくるのは、残酷な言葉。


覚悟はしていた。


だけど、まさかこんなに辛いなんてねっ。


「どんなに頑張っても不幸になるばかりっ。なんで私達は不幸にならないといけないのっ?」


わかっていた。


私が生まれてから業績は下がる一方。


下がるのと同時に生まれた、〝銀髪に空色の瞳〟を持つ異端の私。


捨てられないわけがない。


きっと、私を見て〝悪魔〟だと思ったんだろう。


だって、私を見る目がそう語っていたから。


「許せなかった…っ。幸せに暮らすお前がっ!」


「うるせぇっ!!」


「…史音?」


父さん達の言葉を遮るように、史音が叫んだ。


まさか史音が叫ぶなんて思わず、名前を呼んでしまう。


史音が声を荒らげるなんて珍しい…。


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