続・銀髪姫と不良幹部
今の態勢…っ。


私、史音に抱きしめられてます!


…って、恥ずかしいから!


みんな見てるから!


「よかった…っ」


「史音…」


こんな弱った史音なんて見たことない。


ねぇ、私が振るとでも思ったの?


でも残念。


その考えは外れてる。


私の中には振るの〝ふ〟の文字なんてないし。


…私だって史音が好きだもん。


振るわけなんてない。


振るわけなんてないんだよ…っ。


「イチャつくのは後にしてくれへんか?」


眉間にシワをよせ、仁王立ちしている禅。


あっ…みんなのこと忘れてた!


私なんて恥ずかしいことを…っ。


「あー、そうだな」


史音はそう言うと、ゆっくりと私の体を離した。


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