続・銀髪姫と不良幹部
「…教えて。何かあったの?」


真剣な声で問うと、瑠依君はゆっくりと口を開いた。


「…もしね、利用されてると気づいたら…依亜先輩はどうする?」


えっ…何それ…。


「瑠依君、誰かに利用されてるの?」


「違うと思いたい。…愛されてるとは思う。だけど僕はコマでしかない」


「えっ?」


…コマ?


その笑顔がどこか悲しそうで、私は見ていられなかった。


だから私は…目を逸らしてしまった。


「…ほら、早く行かないと鳴海先輩が待ってるよ」


「瑠依君?」


「僕は大丈夫だから。早く行ってあげて」


時計を見ると、すでに20分も経過していた。


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