同居人は女社長

２人が１週間仕事場を兼ねて使えるコンドミニアムのところへ行ってみると、管理者兼世話係のアジュが歓迎のバーベキューを用意していた。


「ようこそ、キューウィン島へ。
私はここの世話係と管理をしております、アジュと申します。

おふたりにとって有意義な休日をお過ごしくださいね。
バーベキュー以外にも我々スタッフからおふたりの未来にトロピカルドリンクのプレゼントもさせてもらいました。
どうぞ、ごゆっくりおくつろぎくださいませ。」



テーブルの上を見ると大きな青や緑色の飲み物にフルーツとフローズンヨーグルトがのっかって、ストローが２本ささっている・・・。



「ねぇ、レッド・・・１つきいてもいいかしら？
このコンドミニアムって・・・もしかして新婚さん用なの？」



「ちょっと混んでるときだったようでな。
急だったのもあるし、景色とかいいコンドミニアムを選んだら、カップル用になってしまって。

あ、ベッドは補助ベッドあるし、部屋は２つあるから別々に寝られるし・・・そんな難しいことはないと思うんだけどな。」



「そうだね。混んでるときなのに、みんなおまかせで連れてきてもらえて、私とってもうれしいわ。」



「そ、そうか？気に入ってもらえたなら俺もうれしいよ。
さ、早速ごちそうにありつこうぜ。」


「うん。」





夜遅くになってから、海の方が騒がしくなった。


レッドとエリンが海を眺めると、派手やかな電飾がキラキラしている遊覧船が港に着こうとしていて、港にはそれぞれのユニフォームのようなものを着た青年たちが集まっている。



「これってもしかして、アイドルの乗った船？」


「そうみたいだね・・・あっテレビで今やってるよ。
え～と、リリーナンバー５だってさ。
女の子５人組のアイドルだな。」


「すごいわねぇ、港にファンの男の子たちがいっぱい！」



エリンもしばらくテレビの方を見てみると、リリーナンバー５の前にひとりの女性の姿があった。


「ファンの皆様、たくさん集まっていただいてどうもありがとう。
ナンバー５のメンバーをこれからもたくさん応援してくださいね。

私はこの娘たちの事務所の社長をしています。リエッタ・マグナリークです。
かわいいものが大好きで、アイドルからかわいいグッズまでたくさんお店で用意しています。

コンサートの合間にでもお店に足を運んでくださいませね。」



「こ、この人が・・・リエッタ・マグナリーク・・・。」