同居人は女社長
レッドは島内のリエッタの事務所をつきとめて訪問した。

ラングは警察とドネリティ本社へ連絡して、すぐにエリンの捜索を開始した。



「リエッタはここだな。
すみませ~~ん。代表のリエッタさんがこちらにおられるときいてやってきたのですが・・・」


「あなたは?」


「あ、すみません、私はこういうものです。」


レッドは咄嗟にラングリオの名刺を出した。
まだ自分の名刺はガオンティル社のものしかなかったからだった。


「ドネリティ社のラングリオ様ですか・・・。
しばらくお待ちくださいませ。」



5分ほど待たされてから通された部屋に、リエッタがいた。


「ラングリオさんはエリンティア・クォンテ・ドネリティさんの秘書なのね。
で・・・私に何の御用かしら?」


「じつは、休暇で社長がこちらにきていたはずなのですが、昨日から連絡がぷっつりとなくなってしまいまして。」


「まぁ・・・」



「目撃者の証言によると、いなくなる前までリエッタさんらしき女性と商業地のところでお話をしていたということをお聞きしたものですから。」


「あ、あの方ね・・・そうそう、私もあの方がエリンティアさんだって知らなかったものだから、適当にお話だけあわせてすぐ分かれましたのよ。
アイドルグループはどこにいるかときかれましたので、催し会場をお教えして分かれましたわ。」


「そうなんですか・・・。
その他に何か言ってませんでしたか?」


「ん~~わからないですわね。
また何か私の方でも、何かわかりましたらご連絡差し上げますからお宿の連絡先でも教えていただけないかしら。」


「あと2日しか島にはいません・・・その後は新しい会社へ移動が決まっていましてね。」



「新しい会社?」


「ええ、エリンが直接デザインをやって食器だけにかかわらず行っていくという会社です。
というか、小さな店なんですがね。」


「まぁ・・・ドネリティの販売しているグッズすべてエリンさんのデザインなの?」


「古風なのは先代のですが、最近はエリンの作品がほとんどですね。
お客様にも好評ですから。」



「そう・・・ラングリオさん、よろしかったら私と取引なさいません?」


「取引?といいますと。」


「エリンさんの消息がもし、私どもでわかったならすぐにお教えしますから、あなたのお力でエリンさんのデザインのものを分けていただきたいの。」


「分けるんですか?エリンに仕事を発注するのではなくて・・・。」


「え、ええ。
できれば多くの作品がいいので、過去のものでいいのよ。」


「そうですねぇ。秘書といえどもデザインのことはエリンの管轄ですから、きいてみないと何ともいえないですね。」



「そ、そうよね。とにかく彼女の無事がわからないとね・・・。
情報が何かつかめたらお知らせすることにして、今日はこれから外の仕事があるので失礼するわ。」


「よろしくお願いします。」
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