同居人は女社長
翌日、寝坊してボケ~っとしながら起きてきたレッドは、少し違和感を感じた。


(なんか物がまとまってるような気がするなぁ・・・)


「おはよう、レッド。
調子にのってるリエッタに逆襲をかけるわよ!」


「もしかして・・・思い出したのか?」


「いろいろとごめんね・・・。全部思い出したかどうかはわからないんだけど、朝ラングから電話があって、そのときにいろいろとね。

ラングがリエッタとうまくやりとりしてくれたおかげで、お返しする機会を得られそうよ。」


「逆襲って君らしくないような気もするけど・・・」


「そうね、だけど、私の記憶をなくしてくれたお礼とそれにかかった費用。
この家もでしょ。
殴られたクリーブだって私を保護しなければ痛い思いをせずに済んだわ。」


「そうだな。
相手は非人道的なことをやったわけだしな。」



「だから私は人道的にやりかえすわ。」


「なるほど・・・ふふっ。
そこまで考えているなら、俺も社長の片腕だから協力しないとな。

あ・・・ところでさ、記憶がもどったのなら、この家はもういらないか。」


「ううん。今、帰ったらあなたの家族をまきこんじゃうかもしれないから、私はここにいるわ。
レッドだけ帰って・・・。」


「それはできない!もう、クリーブのところにも知らないところにも君を連れて行かれるのは嫌だからね。
片腕はボディガード兼でそばにいないと。」


「でも・・・眠れないんじゃない?」


「えっ?仕事のときはベッドも別だし、帰る時間だって違うんだからさ。
君に気を遣ってもらわなくてもだなぁ・・・って・・・なぜ眠れなかったのを知ってる?

まさか・・・君も・・・?」



「キスされたのはわかってたけど、頭にもやがかかったみたいになっててはっきりしなかったの。
起きたら、あなたにしがみついて寝ててびっくりしちゃったけど、あなたが私に何もしなかったのはすぐにわかったから・・・。

それとも、私に魅力がなかったのかな。なんて・・・えへへ。」


「いいや、もう悩殺されて何度も失神しそうになった。
いっそほんとに失神してしまえたらどんなに楽かと・・・ね。ぷっ・・あはははは」
< 45 / 65 >

この作品をシェア

pagetop