違う
序章でしかなく
5月1日 11時21分

澤村一弥は死体を前に呆然としていた。ここは東京の渋谷、アフタービルの4階にある事務所で萩原穂波の死体を、どうしようか、どうすればいいのか、それしか頭になく、激しく降る雨など耳にも入っていなかった。焦るなか、広がる鮮血、飛び出した内臓、おかしな方向へ曲がる手足に、どこか興奮を覚えた。
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