違う
「狂気」とそれを追う者
今日は何人殺した?……3人か。萩原穂波を殺してからというもの、あの真っ赤な血と飛び散る内臓に魅了され、殺人を次々に犯していた。相手はホームレスがほとんどで、行方不明と騒がれることもなく、平然としていられる。

死体はすべて家にあり、仕事から帰ると眺める、というような生活を送っている。

狂気、それがお似合いだと自分でも自覚している。しかし、やめられない。あのきれいな肉と取り出してもしばらく動き続ける心臓。手にとって眺めている時間が心地いい。その心臓の音に共鳴して自分の心臓も同じ速度で動く。その瞬間に生きている、と心のそこから思うことができる。

昨日も、今日も明日も。
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