違う
私の名前は小宮山 優良(こみやま ゆうり)。
最近起きているホームレス殺人事件に加え、萩原弁護士殺人事件の調査……要は聞き込みを行っている最中である。

しかし、犯人の影などすぐ見つかるわけでもなく、目撃者すら見つからない。

とりあえずアウタービル辺りの通行人を捕まえて迷惑そうにされながら話を聞く。殺人事件と言えば血相を変えて事細かに通った記憶をさらけ出してくれる。が、やはり進展するような情報はない。

はぁ、とため息をついて道のはしに移動しようとしたとき、

「あの、すいません」

申し訳なさそうな顔をした高校生が話しかけてきた。

「警察の方……ですよね?」

「そうですけど……どうしましたか?」

「あの、私、犯人見たかもしれないんです」

泣きそうな顔でそう訴えた彼女はどこか儚げで天女様のように見えた。










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