ある男子高校生の恋愛事情
「まあ、カズくんは三井先輩のストーカーだからね」
…否定できない
「カズくん」
「ん?」
目を開けたら千夏が目の前にいたから
木目が見えなかった
「本当は嬉しいんでしょ?」
「何が?」
「三井先輩の指名で次期部長なんだから、
嬉しいんでしょ?」
「…ん」
「カズくんなら出来るよ」
「…ん」
「寂しいなら、試合に勝ち続けて引退を延ばしちゃえ」
「…ん」
そうだな
「ほら、起きて」と手を差し出されたから
千夏の手を掴んだ
「重い~」と言いながら頑張って手を引っ張るけど
千夏が非力すぎて、オレは床に寝たままだ
だから、自分で少し力を入れて起き上がった
「部長、引き受けるわ」
「うん」