ある男子高校生の恋愛事情
自分の好きにやりたいだろうな、と思ったから
一緒にプレーはせずに見ていた
「…先輩」
「ん?」
「連携やりたいです」
「ん、やろ」
しばらく、二人で体育館にいた
ボールの音とバッシュが床を擦る音しかしない
会話はほとんどない
ザー…
ん?
外を見たら雨が降ってた
ゲッ。マジか
あー傘ないんだよな~どうやって帰ろうか…
「せんぱーい」
声のする方を見たら、瀬戸が雨の中の校庭にいた
アイツは何をやっとんじゃ!?
「こっちこっち~」
えー……行くの?
「早く、来てくださいよ~」
結構降ってるじゃないか
まあ、オレの時も付き合ってもらったしな…
ええい!
「分かったよ!!」と雨の中を飛びだした
ひぇー冷たい
「瀬戸」
「何ですか?」
「……これから何をするんだ?」
「何もしません」
はあ!?
「ただ、雨に濡れたかっただけです」