ある男子高校生の恋愛事情

ーーーいた

ガチャンと自転車のスタンドを立てた


その音で千夏はこちらを向いた

でも、すぐに目をそらして目の前の階段に視線を戻した



ゆっくりと息を吐いてから千夏のところへ向かった



横に立って左手を握った


「「……………………」」


「行くぞ」

「……行かない」


…………………………

しばらく待つが、反応がない


「千夏が嫌でも行くぞ」

「……行かないもん」


「じゃあ抱っこするぞ」

「……………………」


「するからな」と言って、返事も聞かないまま無理やり抱っこした



絶対に行く

二人で境内へ行く


今から願いを叶えに行くんだ
< 189 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop