ある男子高校生の恋愛事情
「………悪かった」
「なにが?」
「さっきも、泣かせたから」
「……アレは…カズくんのせいじゃないから」
…………え?
「オレが“そんなんじゃない”って言ったからじゃないのか?」
「それは照れ隠しでしょ。そのくらい分かるよ」
「じゃ、なんで?」
すると、恥ずかしそうに
「………だっ、て、ほっぺにチューしたのがバレたから」
「「…………………」」
「はは」
「もう!笑いごとじゃないの!」
「だって、オレも千夏のほっぺにチューしたもん」
「ええ!?いつ?」
「…千夏が優勝した日」
「全然気づかなかった」
「まあ、爆睡してたしね」
「なんだ、同じこと考えてたんだね」
「オレたちはものすごく空回りしてたんだな」
そう。空回りで遠回り