ある男子高校生の恋愛事情



ものすごい速さで心臓は鳴っていて

きっと、手にも汗をかいてる

こんなに緊張することが、他にあるだろうか




「……神様の前で誓いにきたんだから」

やることはアレしかないだろ




千夏の頬を両手で挟んで

「山口和也は千夏が大好きです」



一度溢れてしまった想いは止まることはないワケで

千夏がすごく可愛い顔して

オレを見るから

我慢ができるはずがなくて


そっと触れるだけのキスをした




「「…………………」」



しまった。ちょっと格好つけすぎた?


「カズくん」

「…何でしょうか?」


「バチが当たるよ?」


もう


「なんで、せっかく頑張ってるのに現実的なことを言うかな?」

「あはは」


千夏らしいけど



「これって私もやった方がいいの?」

「…オレに聞かないでよ」


それこそ神様に聞いて




「じゃあ、神様に見せつけますかね?」と言って、

不意打ちでキスされた



………………


………………こ、これは

「…もう一回お願いします」

病みつきになるな



「ん~おあずけ?」

「お願い!」



「カズくんは変態だからね」

「はい。そうです」


「カズくんはエッチだからね」

「はい。そうです」


でもね、やっぱり


「千夏限定だし」

「……じゃあ、しょうがないね」



ーーーーチュッ




ねえ、知ってた?

オレもさっき知ったんだけど



キスすると

オレの匂いと千夏の匂いが混ざるんだよ



すごい発見だ


だから、他の人には教えないんだ


―二人の秘密



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