ある男子高校生の恋愛事情
ゆっくりと息を吐く
「千夏、準備は?」
「うん。いいよ」
千夏の左手とオレの右手を繋げて階段を見上げる
どちらが言い出したのかは忘れたけど
これがオレたちのやり方
二人で手を繋いで階段を上る
境内に着いたら御賽銭を出す
二人で顔を見合わせてからお賽銭を投げて、両手を合わせて願う
願い終わったら、また手を繋いで階段を下りる
この一連の動作を一言も話さずにやるんだ
なぜかオレ一人では叶わないんだ
千夏がいないとダメなんだ