ある男子高校生の恋愛事情

―――

どんなに走っても
どんなにシュート打っても

このムシャクシャした気持ちがおさまらない



「先輩、シャワー行きましょ」

「いいよ。先行って」



「自主練ですか？」

「………」


「付き合いますよ」



…………――

ｶﾞｺﾝ

あーくっそ。入らねえ

ｶﾞｺﾝ

クソッ



「…荒れてますね」


こんなんじゃダメだ

「外周してくる」

「ええっ！？」



ﾊｱ…ﾊｱ…

息があがる

でも、もっと走りたい

走れ、走れ、走れ



疲れれば沢山眠れるはずだ
走ればムシャクシャが取れるはずだ


！

目の前に突然、瀬戸が現れた

「……邪魔」

「もう、終わりです」



「…どけ」

「嫌です。これ以上は体を壊します」



「…走らせろ」

「先輩は部長なんですよ？示しつきません。
…頼みますから」


「………分かったよ」