ある男子高校生の恋愛事情
インターフォンを押したら千夏が出てきた
「あ、カズくん」
「はい、コレ」とアイスを渡した
「ありがと」
よかった。普通に話せた
「今、麦茶持ってくるから先に部屋に行ってて」
「足は?オレが運ぼうか?」
「あー…そうだった」
「なんで忘れるんだよ。どれ運ぶんだ?」
麦茶とコップとお菓子を千夏の部屋まで運んだ
「忘れるってことはもう痛くないのか?」
「うん。でもあと4~5日は部活禁止」
バッグから宿題を出した
「そうか」
「ま、お盆だからどっちにしろ休みなんだけどね」
お盆か…
そうだ、夏祭りのこと聞こう
「ちな…」
わっ!
気づいたら千夏がめちゃめちゃ近くにいた
「洗剤替わった?」
へ?
「なんかいつもと違うなあ」と、クンクンしてる
近い!近い!
「うーん…何で違うのかなあ」
うへぇ。オレはどうしたらいいんだ
ドキドキしてしまうではないか
「まあ、別にいいか」と、パッと離れた
えっ、もう終わり!?
もっとクンクンしないの!?
早くない?
「アイス食べていい?」
「へ?あ、うん」
な、な、なんという焦らしプレイ
オレ、いつもこんなことされてたのか
今までのオレはなぜ平気でいられたんだ
自分が信じられん