ある男子高校生の恋愛事情


ゲフ

食べ過ぎた


「ごちそうさまでした」

「カズくん、お腹いっぱい?」



「かなり」

「そっか」




それから部屋にバッグを取りにいった


「カズくん」と言った千夏が手にしていたのは、あのTシャツ

「ありがと」


「ん…」



「気に入ったのならあげようか?」

「洗っちゃったからいい。またその時に借りる」



「洗ったなら着れるじゃないか」

「落ちちゃったもん」



「…カズくんの匂いが落ちちゃったから、返す」


…………はは


「何を笑ってるの?」

「さっきオレも同じこと考えてた」



そう


「さっき寝てた時に千夏の匂いがしたから、布団を持って帰りたくなった」


手元のTシャツの匂いを嗅いだら

千夏の匂いがした
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