病室の君へ
ー俊~応急手当室前待合室~ー
はぁぁぁぁ・・・
あいつは心配ばかりかける。
っていうか、何で俺はあんなガキの心配をしてんだよ!!!
事故で性格が変わったとか?
ありえなー

まだかな

なんか辺りが騒がしくなってきた。
時計を見ると9時半患者がやって来る時間だ。

「俊?」

遠くに聞こえた微かな声。
辺りを見回す。そこには・・・

「笑美(えみ)!!!」

同じクラスの笑美が!!!

「どうした?」

「どうしたじゃないよ!お見舞い!」

ああそっか。俺は入院してるんだ。
そのときに応急手当室のドアが開いた。
しぃ奈が一人の看護しにおぶってもらっていた。
泣いていた。

「しぃ奈!大丈夫か?何で泣いて・・・」

隣にいた笑美が驚く。
俺は普段こういうやつじゃないからな。

「ああえ・・・あ」

しぃ奈が俺を見つめる。

「しぃちゃん?お兄ちゃんとお部屋いく?」

看護しに問われてしぃ奈はコクンと小さく頷いた。
しぃ奈が下ろされて口を開いた。

「俊にいいこ?」

「は?」

俺はすぐ口をを塞いだ。しぃ奈がまた目に涙を浮かべる。
そしてさっきの看護師のほうに行ってしまった。
俺は追いかけようとした。
だが、笑美につかまれた。

「あんな子どうでもいいじゃん?はなそーよー」

「あ・・・ああ。」
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