病室の君へ
ー俊~食堂にて~ー
「ねーえー、俊?今日元気ないよー」

「ああ、ごめん」

早くしぃ奈に謝りたい気持ちで一杯になった。
しかも俺は寝たいんだお前なんかに構ってる暇は無い。

「俺・・・」

「俊?今度さー秋祭りいかない?二人でー」

ニッコリ笑った顔がすごく不気味に思えた。

「俺はいい・・・」

「じゃあ、考えといてねー」

なんだよあいつ・・・
俺は席をたつとエレベーターで、すぐ5階にむかった。
俺の部屋を開けると、しぃ奈は自分のベットで寝てるのが見えた。
包帯を頭に、腕に、足に巻いているしぃ奈が痛々しく感じた。
後で謝らないとな・・・
俺がべットに乗ったら、しぃ奈が目を覚ました。

「おっ!しぃ奈、さっきはごめ・・・」

しぃ奈は俺と目を合わせると、すぐベットに潜り込んだ。
おい。

「しぃ奈?ごめんな。」

しぃ奈を布団越しに撫でた。
しぃ奈はコクンと頷いた。

「・・・わ・・・く・・・」

布団の中から小さく声が聞こえた。

「なに?」

俺が布団をめくるとまた呟いた。

「お庭・・・いく・・・」

「いいよ?」

俺はしぃ奈を左手で持ち上げると庭に向かった。
6歳だからか、病人だからか、思ったより軽かった。

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