精一杯の「好き」をあいつに。
「もー次はないからね?」
「やー本当、みっちゃんいて感謝してる!毎日ありがとうな!」
にかっと眩しい笑顔を向け、3組の教室を去る慧ちゃん。
慧ちゃんが完全に見えなくなったところで、先程話していた友達が私の肩を叩く。
親友の、飛鳥(アスカ)だ。
「あーもう本当、東(アズマ)くんカッコいいよねー!!」
きゃー!!なんて言いながら足をばたつかせる飛鳥。
飛鳥の頭をこつんっと軽くたたく。
「いったーい。もう自分が好きだからって怒らなくても!褒めるくらいいいじゃん」
「好きじゃないし!」
「ふーん、私はお似合いだと思うけどなー」
髪の毛なんかをいじりながら、飛鳥がつぶやく。