精一杯の「好き」をあいつに。
落書きなんかしながら書いていたせいで、書き終わるまで30分もかかってしまった。
「ふーっ、やっと書き終わったー!!」
ぐーっと伸びをして立ち上がる。
そのとき、廊下から走る音が聞こえた。
こんな時間に、誰か生徒?警備員さん?なんて思いながら扉の方を見る。
足音はだんだん近づいてきて、教室の前で止まった。
誰が入ってくるんだろう……。なんてびくびくしていたら扉が開いた。
「あー!!いたいた!!よかったーっ」
息切れしながら慧ちゃんは私を指さした。
逆の手には私の辞典。