Rain~不良彼氏~







「……は」




伸びてきた腕の正体は鬼神。



左腕で私を後ろから抱きしめて、右手は開くはずだったドアを押さえていた。




「お前、いい加減にしろ」




聞こえてきたのは、ヘラヘラしている時とは比べものにならないくらい低い声。




「…はな、して」

「自分がどんな顔してるか分かってんのかよ」

「……」

「平気っつーなら、そんなつまんねぇ顔してんじゃねぇよ!」





扉を押さえる鬼神の右手に、力が入った気がした。





< 74 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop