マリの毎日
「うおっ! マリ……」

「あ、あの2人見てたんだ……」

「……なあ、マリ。マリはさ……ヨシのことどう思ってんの?」


え、あんたまだ知らなかったの?


「えっ私!? ……私は……好きだよすっごく! 最初は単に顔が好みだったけど……今はね……今は……(あれ、最初と変わんないや……)……とにかく、すっごく好き。でも、嫌われちゃったから……」

「そっか、ゴメン。でも俺も一緒だな」

「そんなことないよ! ルイコ、口ではあんな(憎たらしい)こと言ってるけど、心の中では嬉しいと思うな」


何を根拠に。


「いや……でもやっぱ俺、かっこわりーよ。言葉で伝えられないなんて……」

「うん……あ、うんじゃなくてえっと、そんなことないよ! 自信出して頑張りなよ! いつものワリならそんなこと言わない」

「……そうだな! ありがとな!」

「(ぎえっ)ちょっと、ワリ、声でか……」

「……何やってんのあんたらは……」


ついつい出してしまったワリの大声は案の定、ルイコ達の耳にも。

壁に張り付いてこそこそ話をしているワリとマリの姿を、呆れ顔のルイコが眺めていました。


「いや、えっとこれは……忍者ごっこ?」

「そうそう、ちょっとはまってて」

「何いってんのよ」

「へー忍者ごっこ、おもしろそう。でも、もう遅いから帰ろうぜ。俺、マリ送っていくからワリ、ルイコ送ってけよ」

「お、おう……」


前半のセリフ、彼が本気なのか冗談なのかはご判断にお任せします。



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